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ジェネリック医薬品ってなに?薬が安くなるの?先発品と全く同じ薬なの?ジェネリック医薬品が勧められているのはなぜ?|ジェネリック医薬品について正しく理解しよう

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最近では「ジェネリック医薬品」という言葉が広く浸透し、テレビCMや街中でもよく見かけるようになりました。

ジェネリック医薬品とは?と聞かれたら、「先発医薬品と同じ効果で、より安い薬」と答える人が多いと思います。

同じ効果で副作用も変わらないのであれば、より安くなる薬を選ばない手はありませんね。

現在、ジェネリック医薬品メーカーはテレビCMなどの広告を打ち出し、変わらない効き目と安さをアピールしています。

果たして、ジェネリック医薬品はメリットしかない薬なのでしょうか?

そもそもジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品を理解するには、まず先発医薬品との違いを理解する必要があります。

先発医薬品(新薬)

先発医薬品(新薬)とは、特定の製薬会社が扱う、従来存在しなかった有効成分を持つ薬のことです。

新薬の開発過程

先発医薬品は下のような開発過程を辿って世の中に出てきます。

基礎研究→非臨床試験→臨床試験→承認申請→承認→発売

見た目は簡単そうですが、かなり簡略化して書いています。

日本では、ひとつの薬ができるまでに10~17年という長い年月を必要とします。

その間にかかる費用はおよそ500億円と言われています。

そして、開発する全ての薬が出てくるわけではなく、新薬の成功確率は1/30000とも言われるほど難しく、ほとんどの薬は開発の途中段階で日の目を見ずに断念されています。

先発医薬品を開発した製薬会社は、医薬品の有効成分や製造方法、使用方法について特許を取得し、特許期間中の20年間はその薬の製造・販売を独占することができます。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

一方、ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品の有効成分に関する特許が切れた後、その薬を他の製薬会社が製造・販売した薬です。

特許が切れるタイミングで何社ものジェネリック医薬品メーカーがゾロゾロと参入するので、後発医薬品は「ゾロ」と呼ばれることもあります。

ジェネリック医薬品の開発過程

ジェネリック医薬品の開発過程は、先発医薬品とは大きく異なります。

すでに有効性や安全性が確立されている先発医薬品を選んでいるので、医薬品開発において最も時間がかかる臨床試験を実施しません。

製剤研究→生物学的同等試験→承認申請→承認→発売

上のような開発過程を辿るので、期間は3~4年と大幅に短縮されることで開発費が抑えられるので、薬の価格も安くなるのです。

新薬とジェネリック医薬品の効き目は同じ?

結論から申し上げると「ジェネリック医薬品は新薬と似て非なるもの」です。

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分が含有され、同じ効き目があると言われていますが、これには大きな落とし穴があります。

ジェネリック医薬品を発売するためには、先発医薬品の持つ「物質特許」「用途特許」の2つの期間が満了していなければなりません。

物質特許とは、医薬品の有効成分に関する特許です。 用途特許とは、医薬品の効能効果に関する特許です。 例えば、血圧の薬であれば効能効果は「高血圧症」となります。

添加物によって違う薬になる

前述した2つの特許が満了していることで、ジェネリック医薬品は先発医薬品と「主成分」を同じにできます。

しかしながら、薬の特許には物質の製造方法に与えれらる「製法特許」や薬を製剤する上での工夫に与えられる「製剤特許」があります。

前述した2つの特許が切れた後でも、これらの特許には有効期間が残っているケースが多くあります。

もし、製法特許が切れていなければ、薬の表面に使われる添加物を先発医薬品と同じにすることができません。また、製剤特許が切れていなければ、錠剤・カプセル・粉末などの薬の形も先発医薬品と同じにはできません。

例えば、添加物が異なるだけでも薬が体内で吸収される速度や有効成分が分解される速度が異なることがあり、効き目が変わってくることがあります。

また、先発医薬品では起こらなかった副作用がジェネリック医薬品では強く出てしまう可能性もあります。

有効性が同じという表現は語弊がある

なぜジェネリック医薬品が先発医薬品と変わらない効果をアピールしているかというと、生物学的同等性試験を実施し、「先発医薬品とは統計学的には差がない」ことを示しているからです。

生物学的同等性試験とは、「ジェネリック医薬品が体内に入ってから、血液中に入る薬物量や速度が先発医薬品と同等である」ということを示す試験です。

「体内での薬の動き」を見ているだけの試験なので、先発医薬品のように「どれだけ効果があるか、副作用はどれだけ出るか」を確かめないまま、ジェネリック医薬品が世の中に出回っていることになります。

また、薬の動きが統計学的に±15%の範囲に収まっていれば「先発医薬品と差がない」という判断になるので、厳密にいえば「効果が完全に同じ」という表現は語弊があるのです。

ジェネリック医薬品をすすめるのはなぜ?

現在、国は僕たち国民に対してジェネリック医薬品の使用を強く勧めています。

その理由は、社会保障費が国の予算の1/3を占めるほど逼迫しているからです。

少子高齢化が進み、高齢者の医療費が高騰し、政府は目先の医療費を抑制するために国策としてジェネリック医薬品の普及を推進し始めました。

ジェネリック医薬品を使わせる処方せん様式に変更

厚生労働省はジェネリック医薬品を普及させるために処方せんの運用方法を変更しました。

2016年以前は医師が処方せんの「後発医薬品への変更不可」という欄に署名をしない限り、薬局で自由にジェネリック医薬品へ変更することができました。

2016年からはさらにジェネリック医薬品を普及させるために、医師が後発医薬品を変更不可にした場合は、その理由を処方せんの備考欄に記載しなくてはならなくなりました。

普段の診療で多忙な医師がわざわざ変更不可の理由を記載するのは手間ですよね。

「理由を書かないといけないなら、後発品でいいか」と思うのは当然だと思います。

ジェネリック医薬品の普及率目標が決定

処方せん様式の変更だけでなく、厚生労働省はジェネリック医薬品の普及率目標を定めました。

2017年度には70%以上、2018年度~2020年度末の間に80%以上の普及を目指すことを決め、全国の薬局に対して「後発医薬品調剤体制加算」という算定方式を設けています。

後発医薬品調剤体制加算とは、ジェネリック医薬品を一定割合へ置き換えれば、患者さんからプラスアルファでお金をもらっていいよというものです。

調剤点数は1点=10円で計算します。

加算1を取っている薬局では通常の調剤料や薬剤費以外に180円取られてしまいます。同様に加算2を取っている薬局であれば220円も余計に取られてしまうのです。

ここで気を付けたいのが、「先発医薬品しか処方されていなくても後発医薬品調剤体制加算が取られてしまう」ということです。

加算の算定要件を満たす薬局は、ジェネリック医薬品の調剤でなくても患者からプラスでお金を取れるので、必死になって要件を満たそうとしている薬局がほとんどです。

後発医薬品調剤体制加算を算定している薬局では、入口や施設内に張り紙をしているのでぜひ確認してみて下さい。

こうした国策により、ジェネリック医薬品の普及に拍車がかかっているのですが、果たしてジェネリック医薬品は誰のための薬なのでしょうか?本当に患者さんのためになっているのでしょうか?

将来的なことを考えてみる

ここまでジェネリック医薬品に対する疑問を書いてきたのは、薬の将来が不安だからです。

先発医薬品が高い理由は、製薬会社が先発医薬品を販売して得た利益から、さらに新しい薬を開発するためです。

このサイクルによって、病気の進行を遅らせていただけの人が完治を目指せるようになったり、難病で治療法がなかった人の命を救うことができる可能性が出てくるわけです。

しかし、価格の安いジェネリック医薬品が普及するとこのサイクルは崩れ、先発医薬品メーカーは新薬の開発に充てる費用を得られなくなってしまい、結果として、治療法がなくて困っている人が助からないままになってしまいます。

現在、新しい薬やワクチンが開発されており、将来的には治療期間が短くなったり、病気になるのを防ぐことができるようになってくるはずです。

そうすると僕たちが負担する医療費はこれまで以上に減ってくると思いませんか?

常に新薬を開発し続けていくことで、長い目で見ると医療費削減につながるのではないでしょうか。

もちろん、ジェネリック医薬品にはいくつかメリットがあることも事実です。

ただ、「薬局で勧められたから」や「値段が安くなるから」という理由だけでジェネリック医薬品を選ぶのはリスクがあることを忘れてはいけません。

ぜひ積極的に薬に関する知識を得て、自分に合う薬を見つけて下さい。

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